木苺の棘
「聞いてるよ・・・
 
 同伴なんて、本当は
 どうでもいいよ
 
 タツミ、貴方は昨夜
 明日は、一緒に居てやれる
 そう、言った・・・」

「急の仕事が入った」

「仕事って何?」

「お前に話しても仕方ない」

私の手は、貴方から放れる。

「そうだね、私は貴方の
 仕事の内容を聞いても
 きっと、理解できない
 ・・・・・・」

流れる、沈黙・・・

貴方が手を上げると、タクシー
は停まる。

「当分は、店にも顔を
 出せないかもしれない
 
 ・・・また、連絡する」
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