かけがえのないキミへ


人の時間は、俺が知らない間にも過ぎていて、
その間に人は成長していっている。
加奈も成長した…
俺も成長したと思う。


『怜なら出来るよ。だって今まで見てきた笑顔より、今の笑顔の方が輝いてるから』



『さんきゅ…加奈』


『次は怜の番ね?幸せになるの。幸せになりなよね!!』



加奈の言葉に俺はついつい笑ってしまった。
次は俺の番か。幸せになるの。

昔の俺は綾音にふさわしくないと思っていたせいか、前にちっとも進めなかった。
諦めていたが、今の俺は違う。


進みたいんだ、
諦めずに、前へ…
幸せのある場所へと…


足を進めたいんだ。



『サヨナラ、怜』


『サヨナラ、加奈…』


加奈は手を振って、ドアをゆっくりと閉めていった。


電気によって加奈の薬指にある指輪が、キラリと光った。
まるで俺の答えが間違っていない、と言ってくれているようだった。



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