かけがえのないキミへ
大人の女性は何でも分かるのかな…
俺が分かるようにしているのかもしれない。
すごいなと感心をしていたら、先生がもう一度俺の名前を呼んだ。
《怜君?》
『何でもないよ。びっくりして…言おうと思ってたことを言われたから』
《分かるわよ。それくらい。私も言おうと思ってたのよ…旦那に悪い気がしてね?間違ってると思ったの》
先生の言葉を聞いていたら、次第に力が抜けていき、ベッドにどさっと腰を下ろした。
『…先生も思ってたんだ…』
《ごめんね、怜君?あなたの時間を無駄にしちゃったわ…》
『俺こそごめん…先生、幸せになって下さい。旦那さんを愛して下さい』
なぜ女性はこんなにも強いのだろう?
加奈だって、先生だって、俺を責めたりしないで、自分が悪いと主張する。
もし俺が違う立場だったら、相手が悪いと言うだろう。