another story
“お母さん”はひどく心配して、
「休んでも良いのよ?」
なんて言っていた。

けれど私には、学校に行かなければならないように思えてならなかった。


“さゆりちゃん”もあの翌日、きちんと学校へ来ていたのだから。



電車を見ると、昨日の出来事が、ストップモーションのように、ありありと浮かんでくる。


それと同時に、
私の背中を押す手の持つ悪意を、
私の腕を引く先輩の力の強さを、
今起こっていることかのように感じた。
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