雨の雫


フワッて香るバラの匂い。



今にでも嗅覚が麻痺しそうな
香水ではなく、

優しい大人の女の人の香り。。




私にはないモノ。。


……これが私に足りてないモノ?



これが私にあれば
釣り合うのかな……??



──あーもお。。



折角、旅行に来たんだから
楽しむって決めたじゃん!!


体についた水滴を
タオルで拭き取りながら

淳さんから渡された
浴衣を握りしめた。。


なんで黒地にバラ模様の浴衣
渡すかな?!



淳さんの馬鹿、馬鹿、馬鹿……

──私に今、一番
なくて似合わないものを……



馬鹿っ。。


けど今、手元にあるのは
さっき着ていた洋服と
握りしめている浴衣。。

洋服....は一度
着たヤツだし着たくない……



仕方ない……浴衣、きますか。。


普通に旅館の浴衣だと
思ってたのに……....



やっぱり淳さんの馬鹿ァァ



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