魔王に捧げる物語
「こんにちは、綺麗なお嬢さん。僕はさがしものをしてたんだ」
こんな所で………?
少し眉を寄せるミラに、青年はニコニコとしている。
この城の周囲は湖で、見下ろす庭も寂しげで特に何もないと言っていい。
どうやって………かは、ニル達を見ていればだいたい想像が出来るが。
この城の事は詳しくわからないが、何か忘れ物でもしたのだろうか?
とミラは思う。
「何か忘れ物をしたの?
わたし、時間があるから手伝うわ」
「………いいの?」
青年が首を傾げながらミラを見つめる。
「うん、どんなものを探しているの?」
彼は嬉しそうに笑って、
「そっちに行ってもいい?」
とミラのいるバルコニーを指す。
頷くと彼は消えて、驚いて探すと思いのほか近くで声がした。
「すごいとこ住んでるね」
「きゃっ!?」
「あ!ごめん、驚いた?」