魔王に捧げる物語
何か落としたのか、忘れたのか………もしかしたら物とは限らないかもしれない。
ミラの知る限り“眷族”たちは結構変わっている。
そのため見当がつかない。
そもそも彼が人なのか、そっちの住人なのかも微妙だ。
普通の人がどういう人なのかもミラにはよくわからない。
いろいろと考える彼女に言葉がかけられた。
「もう見つけたよ?」
「??」
首を傾げる彼女にルースがクスクスと笑う。
「それはとても美味しそうな香りで、」
…………食べ物?
「甘い匂いがするんだ、花の香りにも似てる」
………くだもの……?
「こんなに近づくと、噎せるかえるほどだね。
北の果てに咲く真っ白な………」
ぞわりと背筋に何かが這うような感触が走る。
ミラはハッと息を止めて数歩後退った。
視線の先の弧を描く口元が、想像と同じ言葉を紡ぐ。
「百合の香り………」
今頃になって後悔した。
ミラの知る限り“眷族”たちは結構変わっている。
そのため見当がつかない。
そもそも彼が人なのか、そっちの住人なのかも微妙だ。
普通の人がどういう人なのかもミラにはよくわからない。
いろいろと考える彼女に言葉がかけられた。
「もう見つけたよ?」
「??」
首を傾げる彼女にルースがクスクスと笑う。
「それはとても美味しそうな香りで、」
…………食べ物?
「甘い匂いがするんだ、花の香りにも似てる」
………くだもの……?
「こんなに近づくと、噎せるかえるほどだね。
北の果てに咲く真っ白な………」
ぞわりと背筋に何かが這うような感触が走る。
ミラはハッと息を止めて数歩後退った。
視線の先の弧を描く口元が、想像と同じ言葉を紡ぐ。
「百合の香り………」
今頃になって後悔した。