魔王に捧げる物語
では、何故自分は狙われたのだろう?
特殊な人間であるとは思えない、むしろ世間知らずもいいところだ。
美味しそうなほど肉付きも良くない………。
百合の香りも、ニルの側にいた為に移っただけではないか?
「わたし、美味しそうなほど太っていないし、魔法が使えたりしないよ?
強烈………な負の感情も感じてないわ?
百合の香りも、ニルの香りが移っただけじゃないかと思うの」
「…………ミラはもっと太っても大丈夫。
でも、ミラの言葉の中に答えはないよ」
こんな時に微妙なフォローはいらない。
だが、その先の言葉で余計にわからなくなった。
考えられる事は挙げたつもりだ、他に何があるのかミラにはわからない。
ニルを見つめると、彼はクイッと片方の眉を上げて見つめ返してきた。