魔王に捧げる物語
「やめてっ!!」


叫ぶミラをニルが抱き寄せて、耳元で囁く。


「ここに現れた事態…………許せるわけがない」


「大陸の人達は関係ないよ!」



「奴の毒気にやられた?
あんなに怖がってたのに忘れたの………?」



「違う、違うよ……さっきのは怖かった。

でも、滅ぼしたら……人がたくさん死ぬんでしょ?

そんなのイヤっ!!」


「じゃあ………、また襲われてもいいの?」



その言葉に思考が停止し、
あの男の言葉が蘇る。


“君はとても美味しそう”

体が震える、二度とあんなものになど出会いたくない。



サッと青くなって震えるミラを抱きしめてニルが優しく言った。



「……大丈夫、俺の腕の中は世界一安全だ。

さっきのは軽い冗談だよ」



……………やりかねない。



と、内心思った。







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