魔王に捧げる物語
眠っていたことも気付かずに、暖かな感触の中目覚めた。
前をゆっくりと見ると、眠っているらしいニルの綺麗な顔が映る。
本当に綺麗な顔だ……。
顔や首元にかかる髪もしっとりと艶やかで、長い睫毛も薄い影を落とす。
決して女性的ではないが男性的でもない。
恐る恐る手を伸ばして、邪魔になりそうな髪をよけた瞬間、パチリと閉じられた瞳が開く。
「ぁ……」
「……おはよ」
もっと見ていたかった………。
少し残念に思いながらキュッと口を閉じると、もともと頭を抱えていた大きな手が優しく撫でる。
「好きなだけ見ていいよ……“隠す”ものなんてないしね」
あっ!
と、顔から下を見て急に恥ずかしくなった。
赤くなるミラを見てクスっとニルが笑う。
「ミラもね、そんなに恥ずかしがらなくても………スミからスミまで見たよ?」
うぅ………。
また堂々と言う…、とは言えずに口をもごもごするしかなかった。
ニルが近付いて、触れるだけのキスをすると同時に、可愛らしいベビードールがミラの素肌を隠す。