魔王に捧げる物語
「雪が………女の人、エリュオン皇子が………」
「夢……?」
「わたしを見て、舌舐めずりしたの………」
「………」
「災禍、滅びがって………怖い」
「………知ってる」
「えっ??」
今なんて?
思わず顔を上げると、ふわりと彼の翼が肌を撫でた。
暗い部屋に魔力の光が輝き、ぼんやりと明るくなる。
煌々と輝く瞳を見つめると、再び頷かれた。
「夢じゃない、さっき起こった事だよ。
きっと、俺が見てた景色を見たんだ………」
「じゃあ……災禍が……」
「愚かにも程があるよ、尻拭いを誰がやると思ってるんだろうね」
「ニル……?」
そのまま抱き上げられて、閉じられた窓の側へ連れて行かれた。
何がしたいのかわからずに戸惑うミラを余所に、光を通さない厚いカーテンが勝手に開く。
っ!!!!?
何?
これ………?