魔王に捧げる物語
何を思ってもいい。
どう思われるてもいい。
世界よりも、彼が大切。
ミラの強い視線に応えるニルの瞳は静なまま……、
腕がゆっくりと離れた。
「………行ってくるよ、
何があっても城から出てはいけない。
約束出来るよね……?」
「…………」
「信じてる」
小さな声だったが確かに届き、静かな羽音と共に彼は消えた。
抜けた羽がはらはらと舞い、拾うと消えていく。
立つ力もなくなってその場に座り込んでも、溢れた涙を拭うことはしなかった。
逃げも隠れもしない、知らない事を理由にしない。
諦めた瞬間から望むものは手に入らなくなる。
だから、自分も………。
守られているだけではいけないっ!
ギュッと握った小さい拳を見ながら、全身に力を込めて立ち上がる。