魔王に捧げる物語



何を思ってもいい。

どう思われるてもいい。



世界よりも、彼が大切。



ミラの強い視線に応えるニルの瞳は静なまま……、
腕がゆっくりと離れた。



「………行ってくるよ、

何があっても城から出てはいけない。

約束出来るよね……?」



「…………」



「信じてる」





小さな声だったが確かに届き、静かな羽音と共に彼は消えた。


抜けた羽がはらはらと舞い、拾うと消えていく。


立つ力もなくなってその場に座り込んでも、溢れた涙を拭うことはしなかった。
逃げも隠れもしない、知らない事を理由にしない。


諦めた瞬間から望むものは手に入らなくなる。




だから、自分も………。




守られているだけではいけないっ!




ギュッと握った小さい拳を見ながら、全身に力を込めて立ち上がる。



< 196 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop