魔王に捧げる物語
小さな身体に合わせて屈み、視線を合わせると彼はムッと口を尖らせた。
きっと悩んでいる。
わかっていても引く事は出来ない。
真剣な顔のミラをチラリと見つめ、諦めたように肩の力が抜けた。
「…………何があっても無茶はいたしませんか?」
「…………わからない」
「諦めてはくださらないんですね」
「もちろんよ」
「冬の装いをして、寒さに万全に備えて下さい。
わたくしが姫君をお守りします」
ミラはパッと顔を輝かせ、言った。
「ありがとうイシュ!
大好きだよっ!!!
待ってて、すぐに支度をするから」
バタバタと着替え十分に厚着していると、鏡越しにスーが映った。
その顔は複雑そうで、言葉に迷っているようだ。
ミラはあえて自分から話かける。
「行ってきます」
一言でわかってくれると思った。
彼女は頭がいいから。