魔王に捧げる物語
スーが目を伏せて呟く、
「ご無事で……」
と。
十分過ぎる言葉に、心が痛む。
でも、気持ちは変わらない。
こんな別れ方なんて嫌だから、どんな事をしても……。
彼女は無言でミラを手伝い準備が出来た時、ギュッと両手を握られ、少しして離された。
瞬くとスーは消えて、手のひらには綺麗な貝殻が乗っている。
空色だった、綺麗な。
暖かくなった気がして上着のポッケにしまい込んで、コートのベルトに細い剣を挿す。
毛皮の帽子に髪をしまい、吹雪でもいいようにゴーグルもした。
とても見せられる格好ではないが、どう見られようといい。
ミラはフンと気合いを入れてイシュの所へ行った。