魔王に捧げる物語
「我が兄は………その力を過信したのでしょう。
国を思う事とはいえ、許されない事をしました」
情があるのは仕方ない事だ、母は違っても同じ父から生まれた兄弟。
友人であったクラウディオの息子、幼い頃の彼とは一度も会った事がなかったが、喜ぶ友の顔が忘れられなかった。
それでも、
魔王として始末をつけるのもまた仕方のない事。
ニルはイオに同意し、軽く頷く。
「そう………だから始末はつけなければならない。
そして誰かが変わりの柱になる事となる。
お前は王族として、愚兄の罪を償わなくてはならない」
覚悟はあるか?
厳しい視線で見つめると、以外にも彼は心得ている……という顔だった。