魔王に捧げる物語
「この地に赴く時より覚悟は着いております。
禁域とは何か、皇帝しか知らない知識を得て………贖罪を果すつもりです……」
死を、
死より辛い永遠にも等しい罰を甘んじると言うのか。
魔王に近く、最も遠い災いを一身に受け。
遠くから世を見つめ、枷の嵌まる腕で世界を抱くというのか………。
ニルは若い彼にそれほどの罰を与える事に心が痛んだ。
「後悔しない人生はないと思っているよ。
でも、お前のような優しく純粋な人間が受けるには余りに重い罰だ……。
逃げる事は罪ではない、恐れる事も同じ。
それでも来られるか?」
最終確認だった。
自分たちはその場所に踏み入れる直前だから。
逃げてもよかった……。
この身を削ってでも世界は維持するつもりだったから。
滅びても、ミラの存在する世界が平和であるならそれでいい………。