魔王に捧げる物語
近くで見ると、本当に大きい鏡だと、彼女は思った。


彼女の体がすっぽり、それどころか縦にも横にも三人ほどは不自由なく並ぶ事が出来る。



イシュはこの先に魔王がいると指した、



「……………?」



見るかぎり扉になっている様子はないようで、



このまま進んだら間違いなく鏡に頭突きだろう……。



どうしよう…………。



頭突きは嫌だな、と


悩みながらそっと、鏡に触れた。




その瞬間、




抗い難い力で鏡の中に引き摺りこまれ、悲鳴を上げる間さえなかった……。


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