魔王に捧げる物語
「何してるの?」



っ!!!?



突然聞こえた声に彼女は飛び上がるほど驚いた。


キョロキョロすると、


「こっち」


短く言われて振り返ると、出掛けていたニルがいつの間に帰っていたらしく、腕を組んで不機嫌そうに彼女を見つめていた。



「お、おかえり………なさい」



「ただいま」


「………」


「俺の質問の答えは?」



平坦な声だが、冷めた視線に怖くなる、



「外を………見たくなって、」


「それで?」


「………景色を、見てたの」


「手すりにしがみついてまで?」


「………ぅ」



言いよどむと、だるそうに彼が近付いて来る。




「一度……落ちてみないとわからないのか?」




その声がすぐ側で聞こえ、
反応する間もなくグイっと片腕を掴まれ、軽々と空中に投げられた。





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