魔王に捧げる物語
「気をつける」


「おい!」


話始めたニル達に焦れたエリュオンが、怒ったように言ってようやく二人が振り返った。



「「何?」」


見事にハモっていたが二人は何の反応もしなかった。


「我が帝国は近々隣国と事構える、多大な犠牲を払わぬ為、助力を望む」

「「兄上っ!!」」

それは、と兄妹が止めるが、


「黙れ。大義の為だ、世界が統一されたほうが魔王も都合が良かろう」





「笑止、」


「全くだ、不愉快極まりない。魔王の存在定理も知らぬ若造が、ニルが苛々しても仕方ない愚かさだ」


二人の瞳が剣呑になり、周囲が息を飲む。


そんな中、少年が魔王達に膝をついた。



「二の皇子イオです。魔王様方、数々の無礼御詫びの仕様もございません………。
ですがどうか、兄と妹をお許し頂きたいのです、


この命を以て……」




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