¥時給1000万円

…以前やっていた工場の仕事仲間…学生時代の級友…小さい頃に住んでいた沖縄の家とその頃の家族……彼女…そして…両親………


どれもみんな笑ってる……

どんな思い出も楽しい人たちに囲まれていた…




ただ…自分の首を刈られた理由に気付いたとき、
自分の中で一つの言葉が浮き上がった…





『後悔』





まぶたが重くなり 息を引き取った…






…ふん…。ざまぁ…!

清々した。


櫻井は荷がおりたかのように溜め息をつく…







ザクンッ…!!



鋭い音と共に
突然 意識が ふっ飛んだ…。



俺も……か…




何も喋ることも考える間もなかった。

そして先に落ちた頭部の上から覆い被さるように体が倒れる…


兵士の持つ大鎌からは大量の血が滴り落ちていた…
その音だけの時間が長く感じる…


突然の惨事に永井どころか客らも動揺を隠せなかった。



そしてオーナーが一歩前に出る。

「…言ったじゃない!次 手を出したらすぐ『クビ』にするって!」


そう…オーナーは約束した…

永井の初勤務だった土曜日に二人は争っていた。そこでオーナーは一言…
『…はい!次殴った方が無条件で『クビ』ねぇ~…!』


2人は未だに有効だった内容だとは思ってもいなかった…



明日で2人ともここを出れたのだが…





いずれにせよ
2人の争いは静かに幕を閉じた…
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