¥時給1000万円

「……3つ数える前に立て。…立たなかったら…『クビ』だ。」
そう言うとオーナーは立って 小向と距離をおいた。それと同時に兵士が近づく。

部屋はざわつきが止まらない…

だがオーナーのカウントと同時にそれは聞こえなくなった…。






「…3!」







小向は目を閉じた…



「おい!小向立て!!」
佐田が近づいて手を貸そうとしたが、別の兵士に止められた。「おい!どけよ!」






「…2!!」




…こんなことはあってはならな…!だから…だから…



小向はそう言い聞かせながらも葛藤していた。






「…1っ!!!」



そして小向は決意してゆっくり目を開け、顔をあげた…
















「………僕はこんなものに参加しない…!!」









ザクッ……!!


その瞬間、躊躇いもなく兵士の持つ鎌が小向の首を横切った。



潮が吹くように噴出した血は、カウンターをその色で染めた。


彼は自分より強い信念を持っていた…!


本当の意味で小向は強かった…

そう何度も自分の中で言い聞かせると、目頭が熱くなって 目の前を潤した。



永井からは、大きな溜め息と涙が溢れ出した…

そしてゆっくり目を閉じ、現実を受け入れた…
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