インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
雑踏をかきわけ、
または
縫うようにして
渋谷駅構内へ。



だけど、
ひかりが
なかなか追いついてこない。



「急げよ!」



「あ~、ちょっと待ってくださいよ~」



「もたもたすんなよ、捕まったらならにされるかわかんねえぜ~」



冗談でいったつもりだけど、もし捕まったらと考えると恐ろしい。



もう一度腕を引っ張って
急がせようとした。



すると、
今度はひかり自ら
手を差し出してきた。



ひかりの
白く細い手。



ちょっと強く握りしめれば、ポキンと折れてしまいそう。



けれど、
それは同時に、
やさしさと繊細さ、
それに純粋なものの象徴。



あたしなんかが触れてはいけない。



だけど
躊躇ってる暇はなかった。



その手をがっちりと掴む。



それから
階段を駆け上がって、
JRの改札口へ
猛ダッシュ。



ひかり。



横目に見た。



顔がまっ赤。
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