空想メール
《人間 誰でも知られたくないことってあるけど

【隠す】と【嘘】って

似てる気がするけど違うと思うんだよね…

本人から聞くより
第三者から事実を聞かされる方が


キツイよ…》


送信





『シオリ 今

彼氏いるの?』


(ハァ!?

何!?

え!?
あたし またドキドキしてるよぉ

挨拶みたいなもんじゃん!
合コンでは当たり前の質問でしょ!

そう!そう!)



「えっ!? 今!?

  いっ いないよぉ!」



『そっか』



「ハルキは…

     彼女いるの?」



『俺? …いねーよ』



返事に間があいたことに気がつかなかった 


その微妙な間が大切だった…



正直者は【嘘】はつけても【隠せない】んだね



ブレーキの踏み方も

アクセルの踏み方も



優しい ハルキ




『ついたよ』



いつのまにか家の前に着いていた



『明日

 電話するな! じゃ』



「じゃあ…」



なんだか 今日はやけに疲れた

大好きな毛布にくるまり

誰かに抱きしめられてるような錯覚に陥りながら

心地良い眠りについた…
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