空想メール
《ハッキリ 覚えてるよ

あなたの顔も

言葉も

あの日からすべてが始まったよね…

『間違いだった』

なんて 言わないよね?


言わないよね…》


送信





「えぇーーー!?」


(泊まるってことは

そういうコトだよね??

えー!!

どっ どっ どうしよう〜!)


『飲んでるから

車は置いてってタクシーで帰るから

一緒に帰るぞ』



(うっそー!!

突然のことで あたし

心の準備できてないしー!!!)



ハルキの友達はまだ残って飲むと言い

ハルキとあたしは

二人で大通りまで出てタクシーを拾い

乗り込んだ…



終始無言のあたしたち

初めて行く ハルキの家

ドキドキする



『運転手さん!

ここでいいや』



ハルキが支払いを済ませ

タクシーを降りた



『少し距離あるけど

歩けるか?』



「う うん…大丈夫」



ハルキがあたしの右手をそっと握った…



手を繋いでる…あたしたち


ハルキの手は大きくて

優しくて

温かかった…



あたしはハルキに寄り添うよう歩いた


守られてるような安心感
に包まれて…
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