暴走★Boy
「んぎゃーっ!!!もう時間ヤッバい!!!!!」
「…うるせぇな」
バタバタと、騒ぎながら支度をする私に、冷めた目付きでそう呟いた我が弟。
「財布!!財布がないっ!!!」
どこっ?!と、探しまわる私に
「ここにあんだろ」
そう言って、投げられた財布。
「ふぎゃ、」
変な声を出しながらも、見事なキャッチをした。
今日は斗和とデートの日。
なのに、寝坊したマヌケな私は、忙しく支度をしていた。
ヤバい、ほんとにヤバい。
待ち合わせ時間は、もうとっくに過ぎている。
「行ってきます!!!」
そう言って、家を出て、駅まで走る。
ワンピースを着ているのに、可愛さゼロの猛ダッシュ。
まわりの視線が痛いのは、気のせいではない。