月の恋人


「亜美ぃ…、あたしがしなきゃいけないことって、何…かな…」



このまま、夏休みが過ぎて行くのは嫌だ。





「うーん……それよりも。陽菜は、どう“したい”の?」


したい、にアクセントを置く亜美。





「…どう、したい、か…?」



「そんなこと、考えたこともなかったでしょ、陽菜。」

亜美がにんまり笑う。


「…………う、ん……。」



「“しなきゃいけない”事なんか、何もないとあたしは思うよー。それより、陽菜が、今の状況をどうしたいのか、あたしは、それが気になるな。それをハッキリさせれば、課題が見えてくると思う。」




「ハイ……先生…。」




亜美は、いつから
こんなに大人っぽくなったんだろう。







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