月の恋人



「…………そっ……ん」


そんなのムリ!!
と、言おうとした唇を

涼が、指先で塞いだ。




「口応えも、禁止。」

ニッと笑って
アヒル口みたいに摘まれる。



――…何よ、ソレ!!


って

普段だったら怒ってるところなのに

あたしは、何も言い返せなかった。



それは―――――…





―――――…




「………陽菜ちゃん!!!!!」



路地の向こうの光の中に

突然



翔くんが、現れたからだった。








< 199 / 451 >

この作品をシェア

pagetop