月の恋人




俺がどんなに手を握っても


抱き締めても

キスをしても



陽菜ちゃんの本体を100パーセント掴んでいるような実感は、ついに持てなかった。







だから、嫌だったんだ。





涼とは、もう永遠に会わせたくなかった。

弟という名の、最大のライバル――…



陽菜ちゃんと涼が築いてきた10数年の年月に叶うわけ無い。






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