手と涙 〜婚約者はピアノ講師〜
この場を立ち去ろうとしたが
そんな柚香の肩に
男が肘をかけた。
あまりの気味悪さに
動けなくなる。
「キミ、浩平の親戚~?」
「・・・親戚じゃないです。
ただの隣人です」
しぶしぶ視線を逸らしながら
応える。
「りんじん~?じゃあなんで
親族席にいるわけぇ?」
「・・・親同士が仲いいだけです」
「しょっかぁ。
じゃぁコーヘーに遠慮しなくてもいいんだぁ。
かわいいしスタイルいいよねぇ。
おれさぁ~
気に入っちゃったんだけどっ!
柚香チャンのこと」