クマさん､クマさん｡

「しかし､お前に好きな子がいるとはな」


まだこの話は続いてたんだ･･･｡


もう学校出て､もう少しでカニとも別れる道に行くぐらいになっても､まだその話するんだ･･･｡



「そりゃあ高校生だし､いるに決まってるよ」



思春期なんだし好きな子の１人や２人みんないるだろ･･･｡



「･･･俺いねーもん」


「･･･いつかできるよ」


カニは恋してないんだ･･･｡


「クマはさ」


「うん」


「好きな子を諦める選択ねーの？」


「ないよ」


即答で言えるぐらい自信があった｡


「お前その子とは会ってねーんだろ？」


「･･･ん」


「人の気持ちなんて変わる｡今は即答で言えるけど､来年にまた聞いたら答えは変わってるかもしれない」


「カニ･･･？」


「その子だけをこの先想い続けることができる訳がねーよ」



カニが言ってる事は俺に言ってる様に見えない｡


カニ自身に言ってるみたいだ｡