クマさん、クマさん。
あたしを見て優しい顔をして、あなたは"おはよう"と言う。
それにあたしはとびきりな笑顔で"おはよう"と言う。
そんな小さな願い・・・・叶う日は来るのかな?
「なっちゃん先輩!好きです!付き合って下さい」
昼休憩に後輩に呼ばれて屋上に行くと、告白をされた。
アオイや友達がなっちゃんと呼んでいるから、知らない後輩にも"なっちゃん先輩"と呼ばれていた。
まぁ、迷惑掛からないし別にいいんだけど
クマさんもあたしを"なっちゃん"と呼んでいたから異性に呼ばれたらクマさんを思い出してしまう。
それがちょっと切なかった。
「ごめんなさい」
告白の答えなんて決まっている。
「・・・理由は?」
「他に好きな人がいます」
気まずくて顔を下げて言った。
「・・・そうですか。分かりました」
「・・・じゃあ」
重い空気に堪えられなくて、後輩にお辞儀をすると、ドアに走って向かった。
「あのっ」
声を掛けられ体が止まる。