クマさん、クマさん。




♪~♪~~♪~♪♪~



「もしもし」


『あっ、クマ?』


「アカヤか・・・」


『お前今、学校?』


「いいや、サボってるから・・家だよ」



あの日から季節が変わって冬・・・。


俺は学校にはサボりがちになっていた。


あれからカニと会うのが気まずく感じるからだ。



単位はちゃんと取ってるし、進路はもう決まったから休んでも卒業できる。



だから俺は最低限、学校をサボっていた。



『サボるなよ。まぁ、今日はお前がサボっててラッキーだ』


「ラッキー?」



なんのことだ?


『お前今から真中に電話してやってくんね?』



「は・・・?」



なっちゃんに電話?



『あいつさ・・・今泣いてんだ』


なっちゃんが泣いてる・・・?



「ごめん後で掛け直す」


『は?お、おプッ



電話を切ると、すぐになっちゃんに電話する。




プルルルル


これで


プルルルル



これで最後にしよう。




プルルルル




これで・・・これで本当になっちゃんを諦めるんだ。



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