クマさん、クマさん。



プルルルル『はい』


ふんわりとしたような声。

大好きな声。



「もしもし?なっちゃん?」


緊張している自分が笑えた。



『うん』


「俺分かる?クマなんだけど」


分からないって言われたらどうしよう・・・。



『分かるよ』


良かった・・・。



「久しぶり。元気だった?」


『・・・うん』


返事しかしないなっちゃん。


やっぱり泣いてたの?



「授業中の時間なのに良く出れたね。サボり中?」


『く、クマさんこそ電話できるなら、さ、サボり中でしょ?』


「どもりすぎ。今日は休日に学校行ったからその代わりの休み」


どもるなっちゃんも可愛いすぎる。

つい笑いが出る。



「1週間前アカヤに会ってさ、なっちゃんが懐かしくなって電話しちゃったよ」



アカヤに会ったのは本当だ。


まぁすぐ別れたけど。



「そういえば前会った時さ、なっちゃんが行く大学聞いてなかっただろ?どこ行くの?」



なんで泣いてるの?なんて聞けない。


俺はずっと気にしていた事を聞いた。




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