クマさん、クマさん。
夜空を見上げると星が点々と輝いていた。
星を見ながら、カニが言おうとしていた言葉を思い出した。
『今度こそ、なっ・・・』
きっとカニが言いたかった言葉は、
"今度こそ、なっちゃんに気持ちを伝えろよ"
中学3年。
高校。
高校3年生。
俺は何度も言うタイミングを逃し、ここまで来てしまった。
「・・・・このままじゃ、ダメだよな」
なぁ、カニ・・・。
カニが言いたかった言葉は分かる。
もう俺のなっちゃんへの想いも、もう11年・・・。
ちゃんとケリをつけよう・・・――――――
「明日のために無理やり寝るか」
俺はまたベッドに戻って目を閉じた。