甘いキスの魔法
「部活で、宮崎先輩の為に
作って来たやつを渡そうと
思って待ってたんですが…
それ…で、…その…えっと…」
と気まずそうに良いながら視線を下に向け、何かを見ているようだった。
何だろうと思って振り返って
視線をソレに向けると丁寧に
ラッピングされたお菓子らしき
ものが地面に落ちていた。
………さっきの音はこれ、か。
そう思いながら口を開く。
「………続きの言葉は?」
梨音の顔をくいっと上に
むけさせて言ったけどやっぱり
暫く言葉を発しようとしなかった。