恋愛倶楽部 -love-
シュートを決めれば、こっちを見てピースをする。
あいつ何なの、無駄に爽やかだ。
試合だかなんだか知らないけど、ひと段落つくと奏斗はまたこっちに来る
「せんぱーい、かっこよかったですぅー」
前に、後輩の女子の群れに呑まれていた。
「はぁ……」
無意識にため息をついて、複雑な気分。
「奏斗先輩って、後輩からの人気がすごいんですよね。
優しいからだと思いますけど」
木仲さんの付け足された説明を聞いて、なんだか寂しくなる気持ち。
奏斗の評判、前と変わったな。
可愛いって言われて先輩から人気があったのに、知らないうちに後輩から人気絶大だったとは。
「ゆゆ、どお?
見てた!?オレの勇姿」
ようやく抜け出せたようで、尋ねられるものの。
あのですね、あなたのファンの女の子たちが背後霊の如くいらっしゃるわけなのですよ。
あたしのほうを見ながら、何かコソコソと話しているのですよ。
「見てたけど……」
「ゆゆ?なんか顔色悪くね?」
いやだから、あなたのせいだって。
「体調悪いなら無理しないで帰ったほうがいいぜ?
今、夏休みなんだし」