恋愛倶楽部 -love-



いやいやだから、あなたのせいだって。


目で訴えるけど、わかるわけないか。

自分のことに関しては、鈍そうだもんね。



「大丈夫だよ。
あたし部室行ってるから、気が向いたら来てね」

だから、そう言い残して木仲さんにバイバイをする。


この場にいたら、女の子たちから恨まれそうだし。

後輩とはいえ、怖いもんは怖いからな。



「あっ、ゆゆ!」

早く立ち去りたいのに、どうしてこうタイミング悪く呼び止めるかな。


イライラしながら振り返ると

「部室暑いから窓開けといた。
うさぎが入ってたら追い出しといて、頼んだぞ!」

またも高めのテンションでピースをしてくる。


「は?」

意味がわからなくて首を傾げてから、部室へと進めた足。

奏斗のヤツ、暑さでおかしくなってる絶対。


なんで、あんなのがモテてるんだろう。

かっこいいのも優しいのも、間違ってないのかもしれない。

けど、どっか抜けてるんだよね。



高校入ってから、ずっと大親友やってるからなぁ。

恋愛感情とかじゃないけど、あいつがモテてたらなんとなく嫉妬はするし。



「……誰にも取られたくないなぁ、実際」






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