GOD GAME
それにしても不気味な城だ。
前方数十メートル先には両開き式の扉、そこに行くまでは何もない。
もし上から攻撃なんてされたら身を隠す場所もないな…
でも、雑魚キャラさえいないなんて、相手の大体の力量も分からないよ…
「もうやることはねぇよな!?
あの扉を打ち壊して殴り込む!
しっかりついてこねぇとモンスターは全部俺が倒しちまうからな!」
水城が掌に拳を打ち込み、気合いを入れている。
「よーいドン★
みんなお先ぃ〜★」
水城が行こうとしているなか、奏ちゃんが真っ先に走りだした。
足の早さは水城並み、つまり、むちゃくちゃはやい!
確か50m走のタイムは6秒02だったはず。7秒ジャストの僕とは比べものにならないな…
「くっそぉ!!
俊!理沙を頼んだ!」
水城はそう言うと、奏ちゃんを追い掛けていった。
「お兄ちゃんも高鳥先輩も警戒とか恐れとかいう感情はないの!?
見ているこっちの身にもなってよね!」
理沙ちゃんは半ば怒り、半ば呆れながら扉のなかに入っていった二人を見ていた。
本当しっかりしてるよ…
僕は軽く笑い、理沙ちゃんと一緒に走りだした。