君と過ごした日々
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…まただ。
また、智士に拒絶された。
うちの目なんか一度も見ないで、足を翻してさっさと去っていった。
その姿を見ても、何も傷付くことなんか無い筈なのに、立っていられなくなるほど胸が苦しくて。
涙までが出そうだったけど。
熱い息を吐いて、血が出るほどに強く唇を噛んで。
理解できない感情を押し殺した。
「……っ…」
そんなことばかりに思いを馳せていたせいか、こちらを睨んでいる存在に気づいたのは、智士が去ってから数分経った後だった。
てっきり当の昔に彼と共に去っているとばかり思っていたのに。
「っ…あや、里桜はあんたを絶対許さないっ!!!」
「…なんで?」
「っあんたが!あんたさえいなければ…っ!!」
「…あっそ」
「っあんた最低ね!」
「…そう?なんかさ、もう全部どーでもよくなっちゃって、」
うちの頭、どっかが狂っちゃったみたいなんだ。
だから、真弥の事とか、里桜の事とか、…智士の事とか。
全部どーでもいいんだよ。
どうせうちに関係ないことだし。
「どうでもいいってあんた…っ、どこまで人を馬鹿にしたら気が済むのよっ!!!」
そう叫んだ里桜は、右手を振り上げた。
いつもだったら避けて反撃するんだろうけど。
今のうちは頭の中なんて空っぽだから。
里桜の手がうちの顔に届くまで、およそ20センチ。