君と過ごした日々





『お前らぶっ殺すぞ?』


っていう、無表情の夢斗の恐ろしい発言から始まり、



『放課後、君たちの教育相談をしてあげるよ。』


っていう、満面の笑みを貼り付けた春香の発言で終わりを告げた。






そう、今日のうちらには、放課後の仕事が要りすぎるんだ。


佐光に何をさせられるかわからないし、春香達にどんな小言をこぼされるかもわからない。


不安で一杯なのに、思わず頬の筋肉が緩んでしまう。


いや、不安で一杯だからこそ、なにかが狂って頬の筋肉が緩んでいるに違いない。



でも、それはうちだけのようで。



サボるときはあんなに楽しそうだった智士の今の顔には、笑顔なんてものはない。


あるのは、後悔と、恐怖と、絶望。





「智士…大丈夫?」


「だ、大丈夫だよ…、」


大丈夫じゃないぃっ!!!


「どうする?休んでる?」


本当に辛そうだから、罰はまた次の日にでも頼み込めばいい。


「いや…、ここで引いたら…おとこじゃねぇだろ、」


そんな弱々しい姿で訴えかけられても、何の説得力も持ちませんが?



因みにうちらは今教室の一番窓側の前後の二席に座っている。


今にも雷が落ちそうな雲は、やはり見ていて不愉快だ。





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