水島くん、好きな人はいますか。
「てめえ万代! ひとりでさっさと帰りやがって!! ビビって逃げるくらいなら最初から来んじゃねえ!」
部屋に入ってきた瞬は見るまでもなく怒っている。
ベッドに横になっていたわたしは、鍵をかけておくべきだったと後悔する。一夜明けて瞬の怒りが半減するなら、とうの昔に実践しているけど。
「今日でわかっただろ。何しに来たのか知らねえが、もう二度とナメた真似すんな――って、聞けよ!」
「痛いっ!」
力任せに二の腕を掴んできた瞬の腕を振り払う。と、瞬はものすごい剣幕で起き上がったわたしを睨み付ける。
「お前の反抗期は終了だってこの前言ったよな? 反抗期ブームか? それも今この時点で終了だから」
「……言わせてほしい」
「いやだね。俺との約束を破ってまで参加した勉強会が楽しかったなら、言わせてやってもいいけどな」
ずるい。その言い方は、ひどい。
「どうしたよ。楽しくて仕方がねえって顔で、また混ぜてほしいって俺に頼めるとしたら、今だけだぞ」
こんなときばかりは、みくるちゃんは瞬のどこかよくて付き合っているんだろうって思う。
……こんなときしか、瞬との関係を見つめ直せない自分がいて、嫌になる。
「ほっといてほしい」
俯いてシーツを握るわたしの声は震えていたかもしれない。本気で怒っている瞬に反抗することは初めてかもしれない。
だけどもう、うんざり。