シークレット・ワード
外はもうすっかり暗くなっていて周りには人一人いなかった
ひとしきり泣いたって、涙が枯れることなんてなくてたえまなく頬を濡らす
「夏樹のばか……」
夏樹は悪くないのに、口から出てくる言葉はそんなものばっかりだった
しばらくそうしていると、遠くから人の声が聞こえてきた
その声はだんだん近づいてきて、しっかり聞き取れるるようになった
「…お、奈緒!」
「夏樹…」
「心配したんだからな。メールしても、電話しても返事なくて。」
こんな時でも心配してくれる夏樹が好き
「ごめん…心配かけて」
「泣いた…よな?」
「………。」
「ごめん。」
夏樹が好きなのに今はそばにいるのが辛かった
「ごめん、今日は帰る。また明日ね?」
「おい、ちょっと待てよ奈緒!」
夏樹の言葉を無視して、私は再び駆け出した