地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー


「……引かねーのか?」

「え? なにが?」

「俺が遊んでたこと」


問いかけると、杏は顔を横に傾げた。


「え? 引くとこあった?」


なんて、笑って逆に問いかけられる。


「……言っとくけど、この写真の女たちだけじゃねーんだぞ? 関係を持った女は」


女の数は、口に出せないほど……いたんだ。


こんな写真4枚だけじゃない。

それをわかってんのか?


そう思って言ったのに。


「うん。わかってるよ」


フフッと笑って、返された。




「あのね。陸がモテることくらい、重々承知ですから。今さら、女の子たちと色々あったって聞かされても……別に何とも思わなかった」



俺が見ていた写真やラブレターを封筒にしまいながら、杏は言う。



「……ホントに?」


――パシッ


彼女の手を掴みながら、再度問いかけた。


「昔は遊んでいたとしても、あたしが出会ったのは今の陸だもん。俺様で、閻魔大王で、優しいけど……かなり変態という……」

「おいっ!」


あまりの言いように、ツッコミを入れる。


そこまで言わなくても……。

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