短編■ 逆上ギャップ
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『関村さんと映画見たよー』
『ふーん、どんな内容? 感動? アクション?』
『割と楽しかった。笑いっぱだったよ。ほら、キーホルダー買ったんだ』
『…ふうん、ださいね』
映画が楽しかったのか、関村さんと遊んだから楽しかったのか…
聞きたいことは聞けない。
(……あ)
視力の良い目が憎たらしいが、関村さんのバックにも同じキーホルダーがついていることに気付いてしまった。
(…嫌だな)
進は知らない。私が嫉妬深くて執念深いことを。そしてそれを隠していることを。
修学旅行の班決めが始まり、進からアイコンタクトをとられた。
同じ班だという合図に喜びを抑え肩を竦め頷いてみせる。
ちゃんと修学旅行までには関村さんのように女の子らしくなりたいと思ったことも秘密だ。
六人でグループを組むので、残りをどうしようかと辺りを見渡すと――
『進くん!! 五木さん!! 私たちと組もうよ!!』