短編■ 逆上ギャップ
大きく右手を挙げ、宿敵が手招きをする。
『あいつらと組む?』とわざわざこちらの意思を確認してくれたのだから、嫌なら首を横に振れば良い。
けれど、『どっちでも』と言っていた。それは進が断ってくれたら良いと言う期待。
しかし――…
『じゃあ三班の班長は正野、副班長は関村で!!』
同じグループ、あろうことか今後資料集めやら班長会議やらで仲良くなる係に二人がなっていた。
(やだな)
なんだか苛々した。
各自グループ班に分かれ、自由時間の計画を立てる。
観光地の北海道で約三時間が好きに使えるらしい。
『乳搾りしたくない?』『オルゴール作れるって本当?』『ジンギスカン食いたくね?』
わいわい盛り上がる五人は楽しそうで微笑ましいなと眺めていると、進と目が合った。
『礼子、お前は何したい? 食べたいモンとかさ?』
『んー…や、北海道あんま知らないし。てかここ仙台じゃんか、なんでわざわざ北海道? 沖縄とかが良いな。沖縄ならソーキそば食べたい』
『北海道は? あえてキャラメルか?』
『知らない。私興味ないから勝手に決めなよ』
ツンケンして机に伏せた。