短編■ 逆上ギャップ
嫌だったからしょうがない。班長の進の横に副班長の関村さんが居て嫌だったのだから。
満面の笑みが憎たらしくて嫌だったのだから。
すると―――
『五木さんっ、ちょっといいかな』
待ってましたとばかりに気にくわない女に話し掛けられた。
そして頭も持ち上げていないのに、返事もしていないのに、お喋りが始まった。
『そういうの良くないよ、みんな北海道で考えているのにそんなこと言ったら。雰囲気悪くなっちゃうじゃない?…生意気言ってごめんね。でも五木さんの為だから』
『はいはいゴメンナサイ』
ゆとりのない私には得点アップを狙ったようにしか思えなくて、
面倒な会話に余計腹が立ち、いよいよ本人に罵声を浴びさせてしまいそう。
なので私は嫌々顔をあげて、再度『ゴメンネー』と軽くあしらった。
―――すると、
『ねえっ五木さん損しているよ!? いっつも怒るばっかりで、みんなに嫌われちゃうよ?! 進くんが可哀相だよ!! 知らないの?! 進くんは同情して五木さんと付き合っているだけなんだよ?? 人気者の進くんが彼氏ならみんなが五木さんに仲良くしてあげるから…ボランティアだよ?! わたし進くんのことが…っ!!っ〜なんでもない。なんでない。だけどっ五木さんもっと進くんを大事にしなよ』
恐らく関村さんは長話が好き。