短編■ 逆上ギャップ
教室は何事かとざわつく。“あの五木”に意見するのだから、興味津々なのだろう。
ちらりと左を見ると、微妙な顔をした進が居て――…ボランティアは事実なのだと理解した。
…分かっていた。初めから。
ほとんど話したことがないのに進から告白されるなんておかしいと思っていた。
情に熱い進だから…
我が儘な私をほっとけなかったのだろう。
それは…最高に残酷な優しさだと気付かないのだろうか。
そんな愛情に似せた同情…
気付いていたから、言えずにいたのだ。好きだという素直な気持ちを。
…キツい言動をするうちは、進が傍に居てくれると知っていたから、私はわざわざクラスに溶け込もうとしなかったのだ。
分かっていたのだから、傷付くのはおかしい。
それに関村さんは悪くない…自分が好きな人の彼女が私みたいな彼氏を大事にできない女なら…
自分が彼女になりたいと思うだろう。
…関村さんは正論を言ったまでだ。
悪いのは私。
素直になれない生意気な私。
女の子らしい甲高い叫び声とは正反対な不機嫌な低い声が出た。
『あっそう、まあ関村さんには関係ないよね?』
捨て台詞を残した私の顔面にぶつかったのは、―――『そんなんだと進くん他の子好きになっちゃうんだからね?!』と、言う不吉な言葉。