短編■ 逆上ギャップ
手を…引っ張ったのは、好きな人で。
『俺、無反応で常にキレ芸の礼子が好きなんだけど?上から目線の発言が可愛い』
『……は、…え、ドMなの? やばい引く!! それはナイ!! 私女王様じゃないし!! 勘違いしないでよ』
もしかして、彼は私の気のない態度に、つれない言動にゾクゾクしていたのだろうか。
軽く変態だったのだろうか。…なんだかトキメキを、初恋を、返して欲しい気分になる。
ショックで手を払えないでいる私を力強く引っ張られて―――そのまま一気に天井が高くなった。
『っい!!』
頭の裏やお尻に骨から衝撃を受けて痛い。
びっくりして目を動かすも、暗くて見えない。一体いつ夜になったのだろうか。
ぼんやりとした思考の頭に降り注がれたのは、
『ほんと笑わせないでって。俺ドMじゃないから。むしろ反対だし?』
暗いのは、進―――?
(っえ、何、これ?!)