芽衣の恋愛論


「ねえ、サトル君はあたしが将吾君と付き合うこと知ってるの?」


「…もう知ってるよ。」


「そっか。この前電話で話した時はすごいフレンドリーだったのに。今日会ったらまた逆戻り。あたしとサトル君は仲良くなれないのかな…。」


「俺にはわかんないね。直接本人に聞いてみたら?」


と由宇君に言われて少し考えるもすぐやめた。


でもコーヒーを淹れてあげたのでサトル君を呼びに行った。

「サトル君コーヒー淹れたから休憩したら?」


平日でお客も少なかった。今は誰もいないし。


「ありがとう。」

サトル君は言い、あたしの淹れたコーヒーにミルクと砂糖を多めに入れてぐるぐるスプーンでかき混ぜた。

だいぶ冷めたコーヒーを一気に飲み干した。

「ご馳走様。」

と言ってレジに戻った。

目も合わないし
話しかけられる雰囲気ではなかった。

「サトルって芽衣の前だといつもあんな感じなの?」

由宇君があたしに聞いてきた。


「うん、まあ。あんな感じかなぁ。嫌われてはないと思うんだけど、たまに優しいから。でも自信ないな。」

「そうだよな。冷たいもんな。」


由宇君が言った。



< 100 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop