芽衣の恋愛論
「ねえ、サトル君はあたしが将吾君と付き合うこと知ってるの?」
「…もう知ってるよ。」
「そっか。この前電話で話した時はすごいフレンドリーだったのに。今日会ったらまた逆戻り。あたしとサトル君は仲良くなれないのかな…。」
「俺にはわかんないね。直接本人に聞いてみたら?」
と由宇君に言われて少し考えるもすぐやめた。
でもコーヒーを淹れてあげたのでサトル君を呼びに行った。
「サトル君コーヒー淹れたから休憩したら?」
平日でお客も少なかった。今は誰もいないし。
「ありがとう。」
サトル君は言い、あたしの淹れたコーヒーにミルクと砂糖を多めに入れてぐるぐるスプーンでかき混ぜた。
だいぶ冷めたコーヒーを一気に飲み干した。
「ご馳走様。」
と言ってレジに戻った。
目も合わないし
話しかけられる雰囲気ではなかった。
「サトルって芽衣の前だといつもあんな感じなの?」
由宇君があたしに聞いてきた。
「うん、まあ。あんな感じかなぁ。嫌われてはないと思うんだけど、たまに優しいから。でも自信ないな。」
「そうだよな。冷たいもんな。」
由宇君が言った。