芽衣の恋愛論
芽衣
今夜は零次君とレイトショー。
先週のサトル君の告白はびっくりした。
まさかサトル君がそんなこと考えているなんて。
想像もしなかった。
あれから誰にも会ってない。
由宇君に相談したいけど、すれ違いで会えない。
由宇君が夜中いないことが多くなった。
もしかしたら彼女ができたのかも。
零次君とは週一度は会っている。
零次君は安心だけど、由宇君とはちょっと違う。
サトル君とも違う。
なんなんだろう。
映画館で待ち合わせしていた。
10分遅れて零次君が来た。
「ごめんお待たせ。」
零次君は涼しい顔して言った。
いつも涼しい顔している。
外は暑いはずなのに。
「チケットあるから入ろう。あ、その前に飲み物買うか。」
大きなジュースとバケツみたいな入れ物に入ったポップコーンを持って戻ってきた。
「零次君、ジュース代…。」
あたしが言うと零次君は
「いいからいいから。女の子にお金出させるなんてカッコ悪いからやだよ。」
っていつも言う。
私は財布をカバンにしまった。